前回「葛藤」からの続き。

決意
妻との全く前進しない、同じことの繰り返しの会話を繰り広げること1週間。ついに休みの日に病院へ行く決意ができました。
私が選んだのはグーグルの口コミでも評判の良い「脳神経外科」。車で1時間くらい走った市外の病院です。
初めての「脳神経外科」
受付で初診を告げて問診票を受け取り、なぜか体温まで測らされて違和感を覚えつつも計測。
問診票に自分の症状を記入していく。「相貌失認の疑い」「数字が数えられない」「道路がイメージできない」たしかこんなことを書いたと思います。
問診票を提出して待つこと5分。受付のスタッフさんが来られます。なにか気まずい感じです。
うちでは診られません
告げられたのは「うちの病院では専門外なので診られません」という一言。
それまでは頭のことは脳神経外科に行けば良いと思っていたし、検索やAIに尋ねてもそのように結果が表示されていたので疑いもせずに行ったのです。
門前払い
なんでも「脳神経外科」という病院は、例えば「頭痛が続く」とか「脳腫瘍がある」とか「脳出血」とか、いわゆるハード面の損傷を専門としていて、「イメージ」とか「認知」みたいな部分、つまりソフトの問題に関しては専門外なわけである。
考えてみたら当然で、スマホのアプリが上手に作動しないというエラーについて、スマホを作っているメーカーの修理窓口に問い合わせをしているようなもので、それはアプリを作っている会社に聞いてと言われるのは当然。
というわけで、無駄に体温を測り、今後利用しないであろう病院の診察券をもらって、先生にも会えず、悪い言い方をすれば「門前払い」で病院を去ることになりました。
救いの手
お断りはされたものの、せっかく何十キロも走ってきた病院です。そこで簡単に帰るわけにはいきません。
時間は10時台、まだまだ診療時間の余裕もあり、後々判明する私の病気の「急な予定変更が苦手」「目的を達成しないと気がすまない」という特性もプラスに作用し、AIやグーグルの口コミなどを調べまくり、「脳神経外科」と「心療内科」が併設された病院を探し出し電話をかけて経緯を説明しました。
私、発達障害なのでは?
電話対応をしてくれた受付の方はとっても親切で、やはりカテゴリーとしては専門外になるものの、とりあえず診てもらえるようになったのです。
飛び込みで行ったので診察までの長い待ち時間。待合室のテレビモニターにはなぜか「8時だョ!全員集合」の映像が流されていて、しかも定番の学校コントを字幕のみで見るというカオスな待ち時間の間、ふと先ほどの病院で言われた言葉が頭をよぎりました。
「この症状は心療内科や精神科の分野になるので」という言葉です。
そこで初めて「自分の症状が発達障害などでは?」と疑問に思ったのです。
ネットでは精神科や薬品会社がWEBページで発達障害のセルフチェックを公開してくれており、言い回しはそれぞれ異なるものの、どのサイトでも共通の自己診断を行うことができます。
私のセルフチェックの結果はADHD・ASDともに「症状を持っている可能性があります」との診断結果が。可能性割合も85%と高いものでした。
私からすれば、「こんな日常的に起こることばっかり並べてて誰がやっても病気って出るじゃん」って思ってたのですが、妻が同じサイトの診断を受けた結果は12%でした。
宇宙人と対話する
大好きなドリフを見ながら待つこと2時間ほど、私の番が回ってきました。まずは担当の方との問診です。
60代くらいの女性の方に30分ほどかけて私の症状を伝えていきます。頭の中で道が作れない話とか、目をつぶると家族の顔も思い出せない話、仕事でぶつかっている問題点などを覚えている限り話していきます。
そのスタッフさんは初めてこういう症状の患者と対面したのか、質問も多く、まるで遠い星から来た宇宙人の話を聞くような、好奇心とも思える反応をされていました。
私からすればそれはとてもありがたく、自分の苦しみや苦手に興味を持ってもらえることは、どこか肩の荷がおりた感じがしました。
問診が終わりついに診察です。
あなたの病気は、、、
問診を元に先生が開口一番こう話されます。
「あなたの病気はおそらく思っているものと違います。」
私も薄々察していたので、「ADHDとかでしょうか」という返答に首を縦に振られます。
未確定なものの、ショックでもなければ、絶望も落ち込みもなく、自分の過去の行動の説明がついた瞬間でした。
先生からは発達障害の検査であっても、必ずMRIの画像は撮ってくるように言われるので、撮影しましょうかと提案を受けます。当然断る理由なんてありません。撮影してもらい、改めて診断を受けます。
幸運なことに脳内に異常は見つかりませんでした。ついでに目をつぶって片足立ちしたり、先生の手の動きを真似したりの診察も行ってくださり、脳の損傷や異常が無いかも確認していただけました。
紹介状
本来はここで終わりのはずですが、先生から封筒を渡されます。
それは私の住んでいる地域の精神科宛の紹介状で、封筒の後ろにはMRIの画像が書き込まれたディスクも貼り付けられていました。
私が遠くから訪ねてきたことを考慮し、近くの病院へとつないで下さったのです。しかもその病院の先生はけっこうな名医だそうで、先生の推薦する方でもあったのです。
地獄のはじまり
無事に精神科への道も開かれ、自分の過去にも説明がつき、肩の荷が下りたかな、と思った矢先、新たなる試練が訪れると、このときは予想もしませんでした。
私にとって「地獄の1ヶ月」の幕があけるのです。



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